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◇にんぎょうげきだん◇



 「にんぎょうげきだん」こみねゆら(白泉社/2010年5月発行)

  人形劇団の一行が旅をしています。
  女の子とくまさん、ヴァイオリン弾きのねこさん、アコーディオン弾きのうさぎさん、
  それから小さな犬さんが人形劇団のメンバー。
  可愛い舞台では、小さな操り人形がお芝居をし、踊り、歌います。

  野原で、動物たちのお客様が集まってきました。
  今日の劇は、声をなくした女の子のお話。
  劇が終わると、人形劇団はまた旅を続けます。

  日も暮れてすっかり疲れた頃、小さな家に辿り着きました。
  ドアを叩くと、娘さんとおばあちゃんが迎え入れてくれました。
  温かいお茶と美味しいクッキーを頂き、その日はぐっすり眠りました。
  翌日、人形劇団のみんなは、娘さんとおばあちゃんに人形劇を見せました。

  人形劇団は、また旅を続けます。
  静かな星の夜、動物たちが集まってきました。
  夜の人形劇の始まりです。
  今夜の劇は小さな踊り子の物語です。

  もうすぐ冬が来ます。
  山を越えて、人形劇団はみんなが待つ自分たちの村へ帰ります。



  人形劇団のメンバーは、実はお人形たちです。
  人形が、更に小さな操り人形で劇を上演するのです。

  物語の初めの頃はそれほど小さいと思わなかったのですが、娘さんとおばあちゃんが出てきた時に、
  「あ、この子たちは本当に小さなお人形なんだ!」とびっくりしました。
  また、劇中劇(人形劇団が演じるお芝居)も、ロマンティックな物語になっています。

  もしかしたら、本当に、人形たちによる人形劇団が、どこかを旅しているのではないか…
  そんな不思議な気持ちになる絵本です。
  そして、人形劇団の故郷だという村に、私も行ってみたいと思いました。(2015/10/19)


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  同じ作者さんのお人形の絵本はこちらもどうぞ。

  「オルゴールのくるくるちゃん」こみねゆら(講談社/2015年9月発行)→icon(別窓)


  

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