「にんぎょうげきだん」こみねゆら(白泉社/2010年5月発行)
人形劇団の一行が旅をしています。 女の子とくまさん、ヴァイオリン弾きのねこさん、アコーディオン弾きのうさぎさん、 それから小さな犬さんが人形劇団のメンバー。 可愛い舞台では、小さな操り人形がお芝居をし、踊り、歌います。 野原で、動物たちのお客様が集まってきました。 今日の劇は、声をなくした女の子のお話。 劇が終わると、人形劇団はまた旅を続けます。 日も暮れてすっかり疲れた頃、小さな家に辿り着きました。 ドアを叩くと、娘さんとおばあちゃんが迎え入れてくれました。 温かいお茶と美味しいクッキーを頂き、その日はぐっすり眠りました。 翌日、人形劇団のみんなは、娘さんとおばあちゃんに人形劇を見せました。 人形劇団は、また旅を続けます。 静かな星の夜、動物たちが集まってきました。 夜の人形劇の始まりです。 今夜の劇は小さな踊り子の物語です。 もうすぐ冬が来ます。 山を越えて、人形劇団はみんなが待つ自分たちの村へ帰ります。 人形劇団のメンバーは、実はお人形たちです。 人形が、更に小さな操り人形で劇を上演するのです。 物語の初めの頃はそれほど小さいと思わなかったのですが、娘さんとおばあちゃんが出てきた時に、 「あ、この子たちは本当に小さなお人形なんだ!」とびっくりしました。 また、劇中劇(人形劇団が演じるお芝居)も、ロマンティックな物語になっています。 もしかしたら、本当に、人形たちによる人形劇団が、どこかを旅しているのではないか… そんな不思議な気持ちになる絵本です。 そして、人形劇団の故郷だという村に、私も行ってみたいと思いました。(2015/10/19) 同じ作者さんのお人形の絵本はこちらもどうぞ。 「オルゴールのくるくるちゃん」こみねゆら(講談社/2015年9月発行)→(別窓)
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