「人形たちのクリスマス」ターシャ・テューダー ないとうりえこ・訳(メディアファクトリー)
ローラと妹のエフナーは、二つの古い人形と一緒に、古びた赤い家で暮らしていました。 人形の名前は、セサニー・アンとナイシー・メリンダ。 セサニーとナイシーは背丈が30センチもある大きな人形で、 女の子たちのひいひいおばあさんから伝わっているほど古く、 パンプキンハウスと呼ばれるすばらしいドールハウスもありました パンプキンハウスは二階建て。 屋根はローラの背よりも高く、妹のエフナーは椅子に乗らなければ二階に手が届きません パンプキンハウスには、玄関広間・二つの寝室・客間・キッチンと食堂、そして温室まであって、 温室には本物の花が植えられています。 キッチンには鉄のストーブ、食器棚にはディナーセットが一揃い。 上等のソファがあり、電気も点きます クリスマスの日、セサニーとナイシーはパーティを開きます。 お人形好きなら、タイトルを見ただけで幸せな気持ちになれそうです♪ 人形のサイズは、私の印象では、30センチよりも大きく感じます。 (子どもたちが抱き人形のように抱えています) フランス人形で、ベベタイプではなく、クラシックなデザインのドレスを着たファッションドールです。 そして、イラストに描かれているドールハウスがすばらしい。 姉妹が小学校の低学年と幼稚園生と仮定して、 姉のローラの身長が130cm前後。 パンプキンハウスはローラの背より頭一つ分は大きいですから、150cm程でしょうか? こんな大きなドールハウスを置けるおうちって、すごいお屋敷ですよね! 私なら、パンプキンハウスで充分暮らせる自信があります(*^_^*) こちらの絵本の面白いところは、人形たちがパーティーを開くお話だというところです。 パーティの前に、人形たちが招待状を出し、モミの木を飾り、お菓子を作ります。 当日のお客様は、3人の人形。 ディナーでは、赤い家の三人の男の子たちがボーイ役で人形に給仕をします。 夜には、大勢の子どもたちとぬいぐるみと人形がやってきて、 「赤ずきんちゃん」のマリオネットショーが開かれます。 ショーの後はクリスマスキャロルを歌うのでした。 ラストのナイシー・メリンダの言葉がステキです。 「クリスマスは魔法の時。 プレゼントをもらうだけではなく、 この世界で生きていくことはとてもすてきなことだと感じるの」 (上記は、ナイシーの台詞を要約しました) もちろん、イラストも可愛いです。 クラシックなデザインの子供服やドレスも魅力的です。 私はシルバニアのような小さなドールハウスがとても好きなのですが、 パンプキンハウスのようなゴージャスなドールハウスも一度見てみたいです。 こちらの絵本は、ターシャ・テューダーさん(1915〜)の 初期の傑作11冊「ターシャ・テューダー クラシックコレクション」の内の1冊です。 ターシャ・テューダーさんの実際の体験が元になっているそうです。 最後に、ふと思ったことを。 心温まるファンタジーとしてすばらしい絵本ですが、マナーブックとしても良いかも… ホームパーティの心得が自然に身に付きそうです。 (夢のない感想で申し訳ありません) それから、男の子たちが嫌がらずに(?)女の子のお人形遊びに付き合ってるのが、すてきですよね(*^_^*) (良い子たちだ〜) もしかしたら、この男の子たちの物語もあるのでしょうか?(2014/12/15) |