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◇呪いの招待状シリーズ◇



  初めに…
  こちらは、ホラーマンガになります。
  残虐なシーンはほとんどありませんが、人間の愛憎を描いた作品ですので、
  苦手な方はご注意下さい。

  ホラーではありますが、とても可愛いアンティークドールが大活躍します。


  「呪いの招待状」シリーズ 曽祢まさこ・著

  10年の寿命と引き換えに、呪殺を請け負う呪術師のカイ
  彼の元を訪れる人々の、愛と憎しみを描いたホラーマンガ。一話完結。

  主人公のカイは、腰まで届く長い黒髪の美青年。
  5000年以上同じ外見で生きていて、黒猫に似た影を使い魔として使役する。

  殺意を持つ人間に黒猫がカード(招待状)を渡し、その人間がカイに憎む相手の呪殺を依頼するシステム。
  代価は依頼人の10年分の寿命。
  もちろん、依頼者が関与した証拠は一かけらも残らない完全犯罪である。

  依頼人の動機については、特に制約はないようである。身勝手な理由や逆恨み、誤解でも可。
  強い殺意があることが条件となっている。

  様々な依頼人がカイの許を訪れる。
  恋愛や友情のもつれはもちろんだが、家族、特に親子間の呪殺依頼も多い。
  赤の他人より、家族は縁を切りにくいため、憎しみを増幅させやすいのかもしれない。
  また、戦争や貧困・虐待など、深刻な社会的テーマも描かれる。

  カイのミステリアスな美しさに惹かれ、カイに恋をしてしまう依頼人が時々現れる。
  もちろん、絶対に成就はしないのだが…

  100年ほど前からカイと同居している助手の人形・マリー
  隠れた名工によって作られたビスクドールの名品である。
  意志を持ち、喋ることはもちろん自由に動くことができ、更には空を飛んだり、多少の攻撃や防御も可能。
  実は、12歳で亡くなったフランス人の少女の魂が人形に宿っているのだ。
  カイに恋をしていて、仕事の邪魔をしないという条件でカイと同居している。

  普段は、依頼に来たお客にお茶を出すのが主な仕事。
  オートクチュールのすばらしいドレスをたくさん持っている。
  趣味は、絵本とぬいぐるみのコレクション。少女向けのマンガやゲームも好き。
  自己中な依頼内容に鋭い突っ込みを入れることがある。

  呪殺はカイや影の黒猫が実行するが、幼い子供がターゲットの場合など、マリーが行うこともある。
  黒いドレスを着て、黄泉の国へ招くマリーの姿は哀しく美しい。

  そして、マリーのオートクチュールのドレスはどれもステキ。
  (いつか私もこんなドレスを作ってみたい! ムリだけど…)
  読者さんがデザインしたドレスも採用されている。

  他に、カイと同じ時間を生きる仲間として、占い師の沙羅(超絶美女)、
  夢を操る力を持つ心優しい夢使いさんが登場する。
  カイを巡って、マリーが沙羅に嫉妬をしたり、夢使いさんに甘えるシーンは愛らしい。

  暗いストーリーが多いが、不思議に読後感は悪くない。
  随所に挟まれるギャグや、余りにも身勝手な依頼人には、
  勧善懲悪的な結末が待っているからかもしれない。(2015/02/05)


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  さて、こちらのシリーズは、1989年に「呪いのシリーズ」として連載が始まり、
  後に「呪いの招待状」、「新・呪いの招待状」、「新・呪いのシリーズ」とタイトルが改められています。
  その間出版社が変わっていますので、入手する場合は少しややこしいかもしれません。

  数年前に私が購入出来た本は以下の通りです。

  「呪いの招待状」ホラーMコミック文庫(ぶんか社)

   「誕生日に殺される」
   「石のキャンディー」
   「迷宮の少女」
   「華の軌跡」☆
   「瑪瑙の呪い」☆
   「摩天楼の下で」☆

  「新・呪いの招待状」ぶんか社コミックスホラーMシリーズ(ぶんか社)

   「恋の墓標」
   「ガラスの棘」☆
   「黒い翼の天使達」☆
   「罪の行方」☆
   「花鬼館」☆

  「新・呪いのシリーズ」ASAHIコミックス(朝日新聞出版)

   「魔風都市」
   「天使の館」☆
   「昔語り」☆


  最新刊と思われる「昔語り」は、2012/5/8の発売。
  その後、連載が続いているかは、残念ながら確認できていません。


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  上のリストで、タイトルの後ろに☆印が付いているものは、現在(2015年1月現在)も
  通常の書店ルートで購入可能です。(トーハン調べ)
  一話完結ですので、どれか一冊だけを読んでも、全く問題はありません。
  ご興味のある方は、どうぞ(*^ー^)ノ♪


  ※「呪いのシリーズ」ソノラマコミック文庫(朝日新聞出版)は今のところ入手できていません。
   呪いのシリーズには、「霧の殺意」「死者の依頼」「夢の葬送」「死線」「招かれざる客」があります。

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